韓国では2014年の4月1日から法律の改正で住所の表記が今までの土地番号（地番）式から、道路名と建物番号を組み合わせた道路名住所に変わりました。
変更してもう7年が経っていますが、Google Mapや古い地図だと旧住所のままになっているケースも多いので、今回はこちらで道路名住所の仕組みを学んでいきましょう！
地番→道路名住所の変更点
土地番号式住所とは？
従来使われていた地番式の住所とはどんなものなのか？簡単に言ってしまうと日本式で、何丁目の何番地という区分です。
日本の統治時代に割り振られた土地ごとの番号がそのまま使われていて、例えば「ソウル特別市鍾路区三清洞xxx-x」の様に使われていました。
しかし、独立から70年が経ち、元あった建物が建て替えられたり、再開発によって、従来の土地番が機能しなくなってきてしまいました。
例えばある街の1〜20番地のうち1〜15番地に再開発で大型商業施設が建ち、1番地の次が16番地に飛んでしまったり、もともと1番地だった広大な敷地に3つ4つの新しい建物が経って、番地がぐちゃぐちゃになってしまうという弊害があり、1996年には道路名住所への変更が決定していました。
道路名住所とは？
こちらは簡単に言ってしまえば西洋式の住所表記です。
アメリカやオーストラリア等ではStreet、Avenue、Road等の道路名と建物番号を組み合わせた道路名住所が以前から使われていて、今回の韓国はそれに追随する形で住所表記を変更しました。
具体的には「ソウル特別市鐘路区大学路xx」の様に使われます。また、大通りに面していない場合は小道を表す길を付けて「ソウル特別市鍾路区大学路xxxギル」と表記します。
いずれも団地や集合住宅の場合は「xx棟xx号室」の様に付け足します。
道路名住所のルール
1・東西にのびる道路の場合は西から東に向かって1、2、3…と建物番号が増えていく。
2・南北にのびる道路の場合は南から北に向かって1、2、3…と建物番号が増えていく。
3・建物番号は20m間隔で付けられる。
4・同じ建物番号（20mの間）に複数の建物がある場合は1-1、1-2のように枝番が振られる。
メリットとデメリット
メリット
最大のメリットは道路さえ見つけてしまえば、その通りに沿っていけば必ず建物を見つけられる事です。道路名を示す標識にも「←大学路1〜56」の様に建物番号が表記されています。
番地制の様に、ある一画をずっと彷徨ってしまうような非効率さは無くなりました。
これにより、宅配物の配達事故の減少や、警察や消防の出動時のタイムロスの削減が期待されます。
デメリット
デメリットとしては変更されてまだ年数が経っていない事です。Google MapやWebサイトの住所や古いショップカードやガイドブックの住所を見ると、旧住所がそのまま残っている事が多く混乱してしまいます。
また、韓国に手紙や荷物を送る際に、どの住所を書けばいいのか確認が必要になってしまう場合もあります。今のところ、旧住所で送っても郵送物は届く様ですが、この先も定期的に手紙や荷物を送る予定がある場合は先方に新住所を聞いたほうが配送事故等の心配をしなくてもいいので賢明だと思います。
大通りはかなり長く続いている場合が多いので、通りの名前だけを目指していくと、通りの端から端まで歩かされてしまう恐れがあります。また、入り組んだ路地裏では合致する道を探し出すのも大変なので、あらかじめインターネットが使える状況で住所や大体の場所を把握しておいたほうがよいでしょう。
下調べが重要
まとめとなりますが、現在もネット上では旧住所表記と新住所表記が混在している状態です。主に博物館やホテル等、人が多く訪れる場所や大企業やチェーン店等の住所は新住所に修正されている場合が多いですが、個人経営の飲食店などは修正する人が居ないまま旧住所で掲載されている場合も多かったです。
旅行で訪れる場合は予め、大体の土地勘を掴んでおくこと。
荷物を送る場合は先方に新住所を聞いておくこと。
無用なストレスや心配を省く為にも一手間掛けて下調べをしておく事をおすすめします◎
