旅行

コロナ禍の韓国、旅行できるのはいつから?

新型コロナウィルスが発生して海外に自由に旅行に行けなくなってからもう1年半以上が経過しました。

世界規模でこの状態なので仕方の無い事ですが、早く韓国に行きたいと思っている方も多いはず。この記事を書いた10月中旬時点では、残念ながら観光客受け入れ再開の目処は立っていませんが、この記事では何がネックになっているのか?何がクリアになれば観光旅行が再開されるのかに注目していきたいと思います。

韓国内の新型コロナの現状

感染者の増減

直近2週間の感染状況新規感染者数死者数
2021年10月1日2,484人16人
2021年10月2日2,247人7人
2021年10月3日2,085人3人
2021年10月4日1,672人6人
2021年10月5日1,575人11人
2021年10月6日2,027人12人
2021年10月7日2,425人8人
2021年10月8日2,172人10人
2021年10月9日1,949人6人
2021年10月10日1,594人15人
2021年10月11日1,297人8人
2021年10月12日1,347人11人
2021年10月13日1,579人11人
2021年10月14日1,937人13人
新型コロナ発生からの全期間累計339,361人2,626人

7月頃までは500〜700人平均で増えていた新規感染者数ですが、デルタ株の登場で7月下旬頃から1,000人を上回り、8月以降は2,000人台へ。更に国民行事である秋夕があり、国民の移動や接触が増えた為か9月24日には過去最大の3,240人の感染を記録しています。

ワクチン接種状況

2021年2月10日にアストロゼネカ製のワクチンが承認され、10月15日時点ではワクチン2回の接種完了率は約60%となっています。

なお、10月中には接種完了率70%となる見込みで、これに合わせて11月9日を目処に現在の規制の緩和が検討されています。

韓国での規制状況

韓国では現在、「社会的距離の確保」という政策(日本の緊急事態宣言や蔓延防止対策に該当)で感染者数の動向をもとに「関心」「注意」「警戒」「深刻」の4つのレベルに分けていて、ソウルなどの首都圏と非首都圏で該当するレベルや、規制の内容が異なります。

現在ソウルでは10月17日までの間、最もレベルが高い「深刻」となっていて、以下のような規制がかかっています。

●マスク着用(罰金あり)
●外出自粛
●リモート授業
●会合は日中4人、18時以降は2人まで
(食堂・カフェではワクチン接種者2名を含む6人まで)
●スポーツジムやサウナの利用禁止
●商業施設は22時まで
●飲食店の座席数制限・22以降はテイクアウトのみ
●対面式の学習塾や礼拝禁止
●主な公園など公共の場所での22時以降の飲酒禁止
など

課題1 入国できるか

今まで

今までは日本のパスポート所持者でかつ、90日以内の観光目的の場合はビザ免除で、到着後に入国カードを提出するだけで入国完了でした。

また、その他の目的でも就労(ビジネス)、学生(留学)、居住(家族が韓国に住んでいる)場合はビザを申請した上で、滞在が可能でした。

現在

2021年10月現在、日本に対するビザ免除は無効になっています。

また、ビザに関してもビジネスは発行をストップ、学生と居住ビザのみとなり、審査も厳しくなっています。

課題

韓国政府の日本人に対するビザ免除の停止とビザ効力の停止は、2020年3月9日に日本政府が韓国人入国者に対してビザ免除停止・2週間の待機などを組み込んだ水際対策を批判して対抗措置として行われたものです。この背景から、まずは日本が先に韓国からの入国者受け入れの規制を緩和・解除しない事には韓国側が先に規制を解くと考えるのは難しいような気もします。

また、2021年9月からはビザ免除の国々からの入国者に対して、出国24時間前までにK-ETAという電子渡航証明の申請が義務付けられましたが、現在は上記の通り、日本がビザ免除対象から除外されている為、K-ETAを取得しても渡航する事ができませんし、ビザも留学や家族が韓国に住んでいるなどの場合を除くと渡航は不可能です。

あわせて読む
自由に韓国に行けなくなる?韓国で電子渡航認証システムK-ETA導入

続きを見る

個人の自由旅行よりも先に完全団体行動の宿泊先や訪問先が特定できるパッケージツアーから解禁されるという可能性もありそうです。

筆者

課題2 韓国での隔離期間

観光目的の旅行者にとって、お休みを取って旅行に費やせる時間には制限があると思います。しかし韓国入国後にはPCR検査を受けてから政府が定めた防疫タクシーを利用し、指定の宿泊施設での14日間の自主隔離と、位置情報アプリのインストールが義務付けられ、1日3回程度の位置確認の連絡(うち1回は映像チャット)、抜き打ちの訪問などがありました。

課題

社会人の旅行者であれば、大型連休を使ったとしても旅行に費やせるのはせいぜい10日ぐらいが限度ではないでしょうか?隔離だけで14日間過ごし、ようやく観光をして、日本に帰国後また10日間ほどの隔離をしていては、およそ1ヶ月ほど勤め先から姿を消す事になります。なかなかハードルが高いですよね。

しかし既に限定された国からの渡航者に対してはワクチン接種証明書・PCR検査陰性証明書のふたつを持っていれば、到着後のPCR検査で陰性と結果が出次第、観光可能になるような取り組みが始まっています。

ワクチンを2回接種して、PCR検査も受けて、K-ETAで渡航申請して…と手間はかなりかかりますが、現在、日本や台湾、シンガポール国籍の旅行者に対しても受け入れが検討されているので少し希望の持てる大きな一歩なのではないでしょうか?(課題1のビザ問題が解決しないとどうにもなりませんが)

課題3 楽しめるのか

もしビザ免除が復活して、入国時のPCR検査で陰性だったらすぐに観光が出来るようになったとして、

果たして行きたかった場所が営業しているのか
白い目で見られないか

これ結構大きな問題ですよね。観光地が閉まっていたり、行きたかった飲食店が休業していたり、最悪の場合廃業していたなんて事も考えられます。

どこの国も共通ですが観光が再開した直後は警戒されてよそよそしさや疎外感を感じてしまったりなんて事もありえます。

また、人数制限もあるので、友達と一堂に集まったり、夜にクラブに行って遊ぶなんて事もしばらくは難しいかも知れません。

外国人をターゲットにした露店が並ぶ明洞も、週末にクラブで賑わう梨泰院も今は閑散としているそうです。
今まで当然のように出来ていた遊びが出来ないという想定もする必要がありますね。

筆者

課題4 日本での隔離期間

最後の問題は日本帰国後です。

韓国側がビザ免除を再開して、PCR検査の結果が陰性ですぐに観光できたとしても、韓国から帰国後は14日間の自主隔離をしなければなりません。

こちらもワクチン接種が進んでいる事から徐々に緩和されてきています。ただ、お役所の書く事なので非常にわかりづらい!

国内外でワクチンの接種が進展しつつあることを踏まえ、検疫所が確保する宿泊施設にて6・10日間の待機対象となっている指定国・地域以外の国・地域から入国・帰国し、且つ、外務省及び厚生労働省にて有効と確認したワクチン接種証明書を保持する方については、入国後14日目までの自宅等での待機期間中、入国後10日目以降に改めて自主的に受けた検査(PCR検査又は抗原定量検査)の陰性の結果を厚生労働省に届け出ることにより、残りの期間の自宅等での待機を求めないこととします。また、検疫所が確保する宿泊施設にて3日間の待機対象となっている、水際対策上特に対応すべき変異株に対する指定国・地域及び水際対策上特に対応すべき変異株以外の新型コロナウイルスに対する指定国・地域から入国・帰国し、かつ、外務省及び厚生労働省にて有効と確認したワクチン接種証明書を保持する方については、検疫所が確保する宿泊施設での待機を求めないこととします。

外務省 海外安全ホームページより引用

要は、ワクチン接種証明書を持っていても最低10日間は自宅などで待機、10日目以降に受けたPCRで陰性だったら残りの4日は待機しなくてもよくなりましたよ!って事。

確かに緩和だけど10日も14日も大して変わらんやん!と思ってしまうのは筆者だけでしょうか?
韓国が指定国からの入国でPCRで陰性だったらすぐ観光可能としているのに比べるとだいぶ長い気がします。

筆者
筆者

待機する側からしたら10日も14日も大して変わらないけど、オリンピック・パラリンピックの時の我々のように迎え入れる側からしたら
「空港でPCR引っかからなかったしワクチン打ってるからオールOK♪さっそく観光いぇーい♪」みたいな感じで来られると不安な気もするので難しいところですね。

観光受け入れ再開直後の必要日数シミュレーション

2021年10月中旬現在の規制内容と規制緩和条件に沿って、韓国の入国規制が解決し、PCR検査の結果が翌日に出ると仮定した場合の2泊3日観光シミュレーションをしてみました。

事前準備・PCR検査
・ワクチン2回接種
・K-ETA
1日目韓国旅行1日目
・韓国入国
・PCR検査
2日目韓国旅行2日目
・自主隔離
(PCR検査の結果が出れば観光開始)
3日目韓国旅行3日目(2泊3日最終日)
・観光

・帰国
自主隔離1日目
4日目自主隔離2日目
5日目自主隔離3日目
6日目自主隔離4日目
7日目自主隔離5日目
8日目自主隔離6日目
9日目自主隔離7日目
10日目自主隔離8日目
11日目自主隔離9日目
12日目自主隔離10日目
・PCR検査
13日目自主隔離11日目
(PCR検査の結果が出れば日常生活再開)

ご覧の通り、お隣の国に行くだけでも約2週間が必要になります。また、PCR検査の結果が翌日に出ない場合や、土日祝日などにぶつかってしまった場合、大型連休中の場合を考えるともう少し日数に余裕が必要になる可能性があり、かなりハードルが上がります。

観光再開までの課題まとめ

1・ビザの問題が解決される(ビザ免除再開)
2・韓国での隔離期間の短縮
3・現地での観光客受け入れ体制が整う
4・日本帰国後の隔離期間の短縮

今のところ、政府が行っている政策レベルで進展が見られるのは2の韓国での隔離期間の短縮ぐらいでしょうか。これもまだ日本は対象ではなく、そもそも入国に関する規制がクリアになっていないので、まだ渡航できるようになるには時間がかかりそうです。

渡航に関して前向きな情報を何一つお伝えできず、げんなりさせてしまったらすみません!
(書いてる張本人も調べてげんなり…まだ当分行けないのか…!)

筆者

気持ちを育てる時間にしましょう

嘆いていても始まらないので、渡航が再開されるまでは予習・修行期間だと考えて、「コロナで何処にも行けなかった」ではなく「コロナがあったからこんなに知識が広がった」と捉えた方が得るものが多く前向きに過ごせるのではないでしょうか。

ただコロナで足止めされているだけっていうのもシャクですもんね。

筆者

具体的には

・韓国語を勉強してみる
・ドラマやK-POPなど韓国の最新文化に触れる
・行きたい場所のリストアップ
・食べたい料理のリストアップ
・歴史や土地土地の文化の勉強

など、次に韓国に行った時にコロナ前よりももっともっと楽しめるように韓国への想いを深める時間にしましょう。

渡航に関しても明るい情報が入り次第、お知らせします!

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

植竹 智裕

元・世界新聞ライター。旅人(訪問国はアジアを中心に現在31カ国) 韓国歴は2005年の初海外旅行からスタートし、2012年には釜山からソウルまでママチャリで縦断。 オーストラリアでのワーキングホリデー中、田舎町で日本人ただひとり、韓国人に囲まれて生活したおかげあって2019年に韓国語能力検定5級取得。

-旅行
-,