韓国旅行でソウルを訪れるなら、ぜひ足を延ばしたい街が「延南洞(ヨンナムドン/연남동)」です。
若者でにぎわう弘大(ホンデ)のすぐ近くにありながら、延南洞には低層の住宅や個性的なカフェ、こぢんまりとしたレストランが並び、どこか落ち着いた空気が流れています。
おしゃれなカフェ巡りや食べ歩きはもちろん、かつて鉄道が走っていた場所を再生した公園を散歩するのも楽しみのひとつ。今回は、延南洞の歴史から人気のお店、街歩きの楽しみ方まで紹介します。

弘大エリアに行ったことがある方だと、もしかすると知らずにこの辺りをぶらぶらされたことがあるかもしれません(筆者もそうでした)。
延南洞ってどんな街?
延南洞は、ソウル市麻浦区(マポグ)に位置するエリアです。地下鉄2号線や空港鉄道などが乗り入れる弘大入口(ホンデイック)駅から歩いてアクセスできます。
弘大といえば、若者文化やクラブ、ストリートファッション、ライブなどで知られる繁華街。一方、延南洞は住宅街の中に個人経営のカフェやレストラン、雑貨店が点在しているのが特徴です。
大通りから路地に入ると、古い住宅を改装したカフェや小さなショップが見つかることも。目的のお店を訪れるだけでなく、気になる路地を歩きながらお気に入りの一軒を探すのも延南洞らしい楽しみ方です。
廃線跡が公園に!「京義線森の道」の歴史
延南洞を語るうえで欠かせないのが、「京義線森の道(キョンイソンスプキル/경의선숲길)」です。
現在は緑や遊歩道が続く憩いの場所ですが、もともとは京義線という鉄道路線に関係する土地でした。京義線はソウルと朝鮮半島北西部を結ぶ鉄道として発展し、かつては街の中を線路が通っていました。
その後、都市部の鉄道施設を地下化する事業などによって地上の線路跡が再整備され、2010年代には緑地や遊歩道を中心とした空間へと生まれ変わっていきます。
こうして誕生した京義線森の道は、線路跡を活用した細長い公園です。かつて鉄道が走っていた場所を、人々が散歩したり、ベンチで休んだりできる空間へと転換したのです。
延南洞周辺の区間は、ニューヨークのセントラルパークになぞらえて「ヨントラルパーク(연트럴파크)」とも呼ばれます。「延南洞」と「セントラルパーク」を組み合わせた愛称です。
公園の両側にはカフェやレストラン、個性的なショップが集まり、散歩とグルメを一緒に楽しめる街へと変化しました。
ただし、街全体が昔の鉄道施設をそのまま保存した場所というわけではありません。鉄道の地下化と跡地の再整備によって、地域の風景や人の流れが変わったことが、この場所の大きな特徴です。
一度は訪れたい!延南洞の人気カフェ
1. カフェ・レイヤード延南店(카페 레이어드)
スコーンやケーキなど、焼き菓子を楽しみたい人におすすめなのが「カフェ・レイヤード」です。
ヨーロッパのカフェを思わせる雰囲気と、ショーケースに並ぶかわいらしい焼き菓子が人気。素朴なスコーンから華やかなケーキまで、見ているだけでも楽しくなります。
延南店はレンガの外観も印象的で、街歩きの途中に立ち寄るのにぴったり。人気店のため、週末や食事どきは混雑することもあります。
2. コリコカフェ(코리코 카페)
かわいい世界観を楽しみたい人には「コリコカフェ」も注目のお店です。
『魔女の宅急便』をテーマにしたカフェとして知られ、作品の雰囲気を感じられる空間やキャラクターをモチーフにしたメニューが魅力。カフェで過ごす時間そのものを楽しみたい人や、写真を撮りたい人にも向いています。
営業時間や提供メニューは変更される場合があるため、訪問前に公式情報を確認しましょう。
3. コーヒー・リブレ延南店(커피리브레 연남점)
甘いものよりもコーヒーをじっくり味わいたいなら、「コーヒー・リブレ」へ。
韓国のスペシャルティコーヒー文化を語るうえで知られるロースターで、延南店は落ち着いてコーヒーを楽しみたい人におすすめです。
カフェが多い延南洞では、写真映えする内装やデザートだけでなく、豆や抽出にこだわった店を巡るのも楽しみ方のひとつ。カフェ巡りの途中で、コーヒーそのものの味を比べてみるのも面白いでしょう。
カフェだけじゃない!延南洞グルメの楽しみ方
延南洞には、韓国料理だけでなく、アジア各国の料理や洋食、ブランチを楽しめるお店もあります。
人気のカフェでスイーツを食べた後は、路地裏のレストランで食事をするのもおすすめです。店ごとに内装やメニューに個性があるため、同じ通りを歩いていても、少し場所を変えるだけで違った雰囲気に出会えます。
また、延南洞は雑貨店や小さなショップを見つける楽しみもあります。大規模なショッピングモールを巡る旅とは異なり、街の中を歩きながら偶然の出会いを楽しめるのが魅力です。
延南洞を楽しむおすすめ散歩コース
初めて訪れるなら、弘大入口駅から京義線森の道へ向かい、公園を散歩した後、周辺の路地でカフェやレストランを探すコースがおすすめです。
午前から昼にかけてはカフェでコーヒーやスイーツを楽しみ、午後は公園沿いをのんびり歩きながら雑貨店をチェック。夕方以降は気になるレストランで食事をして、弘大のにぎやかなエリアへ移動することもできます。
週末は人気店が混雑しやすいため、ゆっくり過ごしたい人は平日や午前中の訪問も検討してみてください。
なお、延南洞は観光地であると同時に、今も人々が暮らす住宅街です。写真撮影では住居の中をのぞき込まない、通行の妨げにならないようにするなど、周囲への配慮を忘れずに楽しみましょう。
まとめ:歴史とトレンドが共存する延南洞へ
延南洞の魅力は、おしゃれなカフェやグルメだけではありません。
かつて鉄道が走っていた土地が京義線森の道として整備され、緑のある散歩道と個性的なお店が共存する街へと変化してきた歴史も、このエリアを訪れる楽しみのひとつです。
弘大のにぎやかさとは少し違う、落ち着いたソウルの日常に触れられる延南洞。人気カフェを目当てに訪れるのはもちろん、目的を決めずに路地を歩いてみるのもおすすめです。
次のソウル旅行では、ぜひ延南洞でお気に入りのカフェを見つけ、廃線跡から生まれた緑の道をのんびり歩いてみてはいかがでしょうか。
