
韓国には、日本人からすると「なぜ?」と思ってしまうような独特の迷信やタブーがいくつもあります。その一つとして知られているのが、「人の名前を赤いペンで書いてはいけない」というものです。
日本では、赤ペンは重要な部分を強調したり、名前を書いたりする際にも普通に使われます。しかし韓国では、相手の名前を赤色で書くことを避ける人がいます。いったいなぜなのでしょうか。
赤で名前を書くと「死」を連想させる?
Korea.net(英文)が紹介している韓国の伝統的な迷信によると、赤色はかつて「死」を象徴する色と考えられていました。
そのため、生きている人の名前を赤いインクで書くと、「その人に死や不運が訪れる」と考えられていたとされています。
特に、亡くなった人の名前を記す際に赤色が使われることがあり、それが「人の名前を赤で書く=死者を連想させる」というイメージにつながったと説明されています。
韓国では葬儀に関する場面で、故人の名前を赤色で記す習慣があったとされます。そのため、現在でも生きている人の名前を赤色で書くことに抵抗を感じる人がいるのです。
ただの「不吉な色」ではない?
面白いのは、赤色そのものが韓国で単純に「悪い色」と考えられてきたわけではないことです。
Korea.netの記事では、赤いインクは悪霊などを追い払うためのお札や呪術的なものにも使われていたと紹介されています。
つまり赤色には、「死」だけではなく、邪悪なものを遠ざけるような特別な力を持つ色という側面もありました。
そのため、現代の感覚でいう「赤=不吉」という単純な話ではなく、昔から赤色が持っていた特別な意味が、現在のタブーにもつながっていると考えられます。
韓国では赤ペン自体が禁止されているわけではない
ここは日本人が誤解しやすいポイントです。
「韓国では赤いペンを使ってはいけない」という意味ではありません。
赤色のペンそのものは普通に使われますし、印鑑である「도장(トジャン)」には赤い朱肉が使われることは一般的です。
問題になるのは、特に生きている人の名前を赤色で書くことです。
そのため、韓国人の名前を赤ペンで書いたら必ず怒られる、というほど絶対的なルールではありません。世代や個人によっても受け止め方は異なり、Korea.netも若い世代になるほど昔ながらの迷信をあまり気にしなくなっていると説明しています。
韓国ドラマで出てきたら要注意?
この習慣を知っていると、韓国ドラマや映画の見方も少し変わります。
登場人物の名前がわざわざ赤色で書かれていた場合、「ただ目立たせるための演出」ではなく、死や不吉な出来事を暗示する演出として使われている可能性があります。
ただし、ドラマの中で赤い文字が登場したからといって、必ず「その人物が死ぬ」という意味だとは限りません。作品独自の演出である可能性もあるため、具体的な場面ごとの判断が必要です。
なぜ赤で名前を書くといけないのか、起源は?
では、そもそも「赤で名前を書くと死ぬ」という迷信がいつ、どのように生まれたのでしょうか。
この習慣については、古くからの韓国文化や葬送習慣、赤色に対する呪術的な意味などが関係していると考えられています。
ただし、今回確認した資料だけでは「この出来事が起源だった」と断定できる具体的な由来までは確認できませんでした。起源については未確認としておくのが安全でしょう。
日本人にとっては何気なく使っている赤ペン。しかし韓国では、人の名前を書くという場面になると、昔からの文化的なイメージが現在にも残っているのです。
