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韓国の高速鉄道KTXとは?日本の新幹線との違いを比較

韓国旅行でソウルから釜山や大邱、慶州方面へ移動するときに便利なのが、高速鉄道の「KTX」です。

日本に新幹線があるように、韓国にも都市間を短時間で結ぶ高速鉄道が整備されています。ソウルから釜山までは、列車によって異なりますが、およそ2時間15分〜2時間40分ほど。国内線の飛行機や高速バスと並ぶ、主要な移動手段の一つです。

しかし、KTXと新幹線は最高速度だけでなく、路線網、料金体系、座席の向き、駅の立地などにも違いがあります。

筆者

今回は、韓国のKTXとはどのような列車なのか、日本の新幹線と比較しながら、乗り方や旅行で利用する際の注意点まで詳しく紹介します。

1. KTXとは?韓国を代表する高速鉄道

KTXは「Korea Train eXpress」の略称で、韓国の高速鉄道を代表する列車です。韓国鉄道公社(KORAIL)が運行しており、2004年4月に営業運転を開始しました。日本の新幹線に相当する存在と考えると分かりやすいでしょう。

KTXの登場によって、ソウルと韓国各地の主要都市を結ぶ鉄道移動が大幅に便利になりました。特にソウルと釜山を結ぶ京釜高速線は、ビジネスや観光の両面で重要な路線です。韓国観光公社も、KTXを韓国内の都市間移動に便利な高速鉄道として紹介しています。

KTXの基本情報

  • 正式名称:Korea Train eXpress
  • 運行会社:韓国鉄道公社(KORAIL)
  • 営業開始:2004年
  • 最高速度:車両・性能上は時速330km級
  • 主な路線:京釜線、湖南線、全羅線、江陵方面など
  • 主な利用目的:都市間移動、出張、国内旅行

なお、時速330kmという数字は車両の最高速度に関するもので、通常の営業運転で常にその速度を出しているわけではありません。実際の所要時間は、路線や停車駅、列車の種類によって変わります。

2. KTXにはどんな種類がある?

ひと口にKTXといっても、車両にはいくつかの種類があります。

KTX

初期から運行されているタイプで、フランスの高速鉄道TGVの技術をベースに開発されました。韓国の高速鉄道の歴史を語るうえで欠かせない車両です。

KTX-山川(サンチョン)

韓国で開発された高速鉄道車両です。KTXとは車両の構造や編成が異なり、比較的短い編成で運行されるタイプもあります。韓国固有の魚「サンチョン(山川)」にちなんだ名称が付けられています。

KTX-イウム

KTX-イウムは、地域間輸送などに対応する韓国の高速電車です。高速新線だけでなく、在来線を利用する区間にも対応しており、地域の交通網を支える役割を担っています。

このように、KTXという名称は単一の車両だけを指すのではなく、複数の車両やサービスを含む高速鉄道ブランドとして理解するとよいでしょう。

3. KTXと日本の新幹線を比較!

それでは、日本の新幹線とKTXにはどのような違いがあるのでしょうか。

比較項目韓国のKTX日本の新幹線
営業開始2004年1964年(東海道新幹線)
代表的な最高速度車両性能上は時速330km級路線により異なり、東北新幹線では時速320km
代表的な路線ソウル〜釜山、ソウル〜木浦など東京〜新大阪、東京〜新青森など
主な運行事業者韓国鉄道公社(KORAIL)などJR各社
座席進行方向と逆向きの席がある場合も多くの列車で進行方向に合わせて座席を回転可能
チケット区間・列車・座席クラスなどで料金が変わる運賃と新幹線特急料金を組み合わせるのが基本
乗車方法指定列車・指定席を確認して乗車指定席・自由席など、列車や商品によって異なる
旅行者向けパスKORAIL PASSJAPAN RAIL PASSなど

※速度や料金体系は路線・車両・購入方法によって異なります。表は一般的な特徴を比較したものです。新幹線の最高速度については路線ごとの差があり、KTXも車両性能上の最高速度と実際の営業速度を区別する必要があります。

違い1:最高速度だけでは比較できない

KTXの車両性能上の最高速度は時速330km級で、日本の新幹線も東北新幹線の一部区間では時速320kmで運転されています。

数字だけを見るとKTXのほうが速いように思えるかもしれませんが、実際の所要時間は最高速度だけでは決まりません。停車駅の数、線路の条件、都市部での速度制限などが影響します。

そのため、KTXと新幹線を比較するなら、最高速度だけでなく、主要都市間をどれくらいの時間で移動できるかを見ることが大切です。

違い2:韓国の都市間移動はKTXが便利

KTXの代表的な利用区間はソウル〜釜山です。韓国の南北を結ぶ主要ルートで、ソウルから地方都市へ移動する際の選択肢になります。

一方、日本の新幹線は東海道・山陽・東北・北陸・九州など複数の路線網が発達しており、東京を中心とする移動だけでなく、各地方の主要都市を結んでいます。

両国とも高速鉄道が都市間移動の中心的な役割を担っていますが、実際に利用する路線や乗り換えの仕組みは異なります。

違い3:座席の向きに注意

KTXでは、車両や座席によって進行方向と逆向きに座ることがあります。予約時に座席の向きを確認できる場合は、乗り物酔いが気になる人や進行方向を向いて座りたい人は注意するとよいでしょう。

日本の新幹線では、座席を回転させて進行方向に合わせることができる車両が多く、グループで向かい合わせにする使い方も一般的です。ただし、車両や座席によって事情は異なります。

4. KTXの主な路線と行ける都市

KTXはソウルと釜山を結ぶ路線だけではありません。韓国各地へ向かう路線があり、旅行の目的地に応じて使い分けられます。

京釜線・京釜高速線:ソウル〜釜山

KTXを代表するルートです。ソウル駅を出発し、大田(テジョン)、東大邱(トンデグ)などを経由して釜山駅へ向かいます。

釜山では海雲台や広安里、南浦洞などの観光エリアへ移動する拠点として利用できます。ソウル滞在中に釜山へ足を延ばす旅行にも便利です。

湖南線:ソウル方面〜光州・木浦

全羅南道方面へ向かうルートです。光州や木浦など、韓国南西部の都市を訪れる際に利用できます。

韓国の地方グルメや歴史文化を楽しみたい人にも、覚えておきたい路線です。

全羅線:全州・麗水方面

全州や麗水方面への旅行で利用される路線です。全州は韓屋村やビビンバ、麗水は海沿いの景観や海鮮料理で知られています。

江陵方面:東海岸へのアクセス

ソウル方面から江陵などの東海岸エリアへ向かう列車もあります。ソウル中心部の観光とは違った、海や自然を楽しむ旅行に便利です。

※列車の発着駅や停車駅、所要時間は便によって異なります。利用日が決まったら、KORAILの公式予約サイトで確認しましょう。

5. ソウルから釜山までKTXで何時間?

ソウルから釜山までの所要時間は、列車や停車駅によって変わりますが、目安はおよそ2時間15分〜2時間40分です。

高速バスは道路状況によって所要時間が変わりやすく、飛行機は搭乗手続きや空港への移動も必要です。KTXなら、ソウル駅や釜山駅を拠点に都市部へ移動しやすいのが利点です。

ただし、ソウル市内の目的地が駅から遠い場合や、釜山で訪れる場所によっては、駅までの移動時間も考慮する必要があります。

旅行の予定を立てる際は、列車の乗車時間だけでなく、ホテルから駅までの移動時間も含めて計画するとスムーズです。

6. KTXの料金は?新幹線より安い?

KTXの料金は、乗車区間や列車、座席クラスなどによって異なります。日本の新幹線と単純に比較するのは難しいものの、韓国国内を移動する際には、KTXのほかに高速バスや一般列車も選択肢になります。

日本の新幹線では、基本的に乗車区間の運賃と新幹線特急料金を組み合わせて購入します。一方、KTXでは予約画面に表示される区間・列車・座席の料金を確認して購入するのが基本です。

料金を比較する際は、単に金額だけを見るのではなく、所要時間や駅までのアクセス、予約変更の条件も考慮しましょう。

旅行者ならKORAIL PASSも検討

韓国には、外国人旅行者向けの鉄道パス「KORAIL PASS」があります。対象期間中にKORAILが運行する対象列車を利用できるため、複数の都市を鉄道で巡る予定がある人は検討する価値があります。

ただし、SRTや地下鉄などは対象外です。また、パスを購入しただけで必ず希望列車の座席が確保されるわけではなく、座席予約が必要です。利用条件や料金は変更される場合があるため、購入前に公式サイトで確認してください。

公式サイト:KORAIL PASS

7. KTXのチケットの買い方と乗り方

KTXのチケットは、KORAILの公式ウェブサイトやアプリ、駅の窓口、券売機などで購入できます。韓国観光公社も、公式サイトやアプリなどを利用した予約方法を案内しています。

初めて利用する場合は、次の流れを覚えておくと安心です。

  1. 出発駅と到着駅を選ぶ
    例:Seoul(ソウル)から Busan(釜山)へ。
  2. 乗車日と人数を指定する
    希望する時間帯の列車を検索します。
  3. 列車と座席を選ぶ
    出発時刻、到着時刻、座席クラス、料金を確認します。
  4. チケットを購入する
    予約情報や乗車に必要な画面を確認しておきます。
  5. 駅で列車番号・号車・座席を確認する
    発車案内とチケットを照らし合わせて乗車します。

人気の観光シーズンや連休には、希望する列車の座席が売り切れることもあります。予定が決まっている場合は、早めに空席を確認すると安心です。

予約開始時期や購入期限はチケットの種類や購入方法によって異なるため、最新の案内を確認しましょう。

公式予約サイト:KORAIL(外国人向け)

8. KTXの車内設備は?Wi-Fiやトイレはある?

KTXには、トイレや荷物置き場などの設備があり、長距離の都市間移動にも対応しています。韓国観光公社は、KTXやSRTの設備としてトイレ、授乳室、おむつ交換台、自動販売機などを紹介しています。無料Wi-Fiも多くの列車で利用できますが、通信環境によって接続が不安定になる場合があります。

日本の新幹線と同じように、乗車中に休憩したり、景色を眺めたりしながら移動できます。ただし、設備の配置や車内サービスは車両によって異なります。

飲食物を持ち込む場合は、周囲の乗客に配慮し、においの強い食品などは控えるとよいでしょう。

9. KTXに乗る前に知っておきたい注意点

乗車駅を間違えない

ソウルではソウル駅や龍山駅など、列車によって発着駅が異なる場合があります。地下鉄の駅名だけで判断せず、予約したチケットの出発駅を確認しましょう。

列車番号と座席を確認する

KTXは列車によって停車駅や行き先が異なります。発車時刻だけで判断せず、列車番号、行き先、号車、座席番号を確認して乗車してください。

座席の向きや荷物置き場に注意する

座席の向きは車両によって異なることがあります。大きなスーツケースを持っている場合は、荷物置き場の場所も確認しておくと安心です。

KTXとSRTを混同しない

韓国にはKTXのほかに、SRTという高速鉄道もあります。どちらも高速鉄道ですが、運行会社や予約システム、発着駅などが異なる場合があります。

2026年にはKTXとSRTの相互乗り入れを含む運行の連携が試験的に始まり、従来とは異なる駅から乗車できる列車も登場しています。利用する列車の発着駅は、必ず予約時に確認しましょう。

10. KTXと新幹線、どちらが便利?

KTXと日本の新幹線は、どちらも都市間を短時間で移動するための便利な高速鉄道です。どちらが優れているかというより、それぞれの国の路線網や旅行スタイルに合わせて利用するのがよいでしょう。

韓国旅行でソウルから釜山、全州、光州、江陵などへ移動するなら、KTXは非常に便利な選択肢です。特に、限られた旅行日数で複数の都市を訪れたい場合に役立ちます。

一方、日本の新幹線は路線網が広く、東京から大阪、東北、北陸、九州など、国内の広い範囲を結んでいます。

両国の高速鉄道を比べると、最高速度の数字だけでは分からない、駅の位置や乗り換え、予約方法などの違いも見えてきます。

まとめ

KTXは、2004年に運行を開始した韓国を代表する高速鉄道です。ソウルと釜山を結ぶ京釜高速線をはじめ、韓国各地の主要都市を結び、旅行者にとっても便利な交通手段となっています。

日本の新幹線と比べると、車両や座席の仕様、料金体系、駅の立地などに違いがあります。利用する際は、最高速度だけでなく、目的地までの所要時間や発着駅、予約条件を確認することが大切です。

韓国旅行でソウル以外の都市にも足を延ばすなら、ぜひKTXを活用してみてください。移動時間を短縮できれば、地方のグルメや観光スポットを楽しむ時間も増やせるはずです。

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植竹 智裕

元・世界新聞ライター。旅人(訪問国はアジアを中心に現在31カ国) 韓国歴は2005年の初海外旅行からスタートし、2012年には釜山からソウルまでママチャリで縦断。 オーストラリアでのワーキングホリデー中、田舎町で日本人ただひとり、韓国人に囲まれて生活したおかげあって2019年に韓国語能力検定5級取得。

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