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韓国の悪霊ファンタジーで「桃の枝が登場する理由は?

筆者

안녕하세요!

最近、ドラマ「トッケビ」の2周目を観て気付いたんだけど 、何やら日本ではあまり馴染みのない魔除けグッズとして、桃の枝がよく登場するんですよね。今回は掘り下げてみました。

韓国ドラマの時代劇やファンタジー作品を見ていると、幽霊や悪霊を追い払うために「桃の枝」が使われる場面があります。

「桃の枝にそんな力があるの?」と思ってしまいますが、これは単なるドラマ上の設定ではありません。韓国には古くから、桃や桃の木には邪気や鬼を追い払う力があるという民間信仰が存在します。

桃には「邪気を払う力」がある?

韓国の伝統的な民間信仰では、桃は「鬼を追い払うもの」と考えられてきました。

特に興味深いのが「東桃枝(동도지)」です。これは東側に伸びた桃の枝を指します。東は太陽が昇る方向で、陽の気が強いと考えられていたため、東に伸びた桃の枝には特に強い辟邪、つまり邪悪なものを退ける力があるとされました。

また、桃の木を使った「桃剣(도검)」を鬼や邪気を追い払うために用いたという記録もあります。

つまり、韓国ドラマで悪霊退治に桃の枝が登場するのは、昔から伝わる民俗信仰を元にした表現なのです。

『トッケビ』では死神に桃の枝が登場

トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜では、この「桃=邪気を払う」というイメージを印象的に使った場面があります。

第11話では、サニーが桃の花の枝を持って登場し、死神に向かってそれを振り回す場面があります。帽子を被ると人から姿が見えなくなる死神も「そこにいるんでしょ!」とサニーが振り上げた桃の枝ばかりは防ぎきれず、帽子を脱がされて姿が露呈してしまいます。「桃は死者や鬼にとって苦手なもの」という設定がコミカルに表現されています。

ドラマを見ているだけではただの枝だと思ってスルーしてしまいますが、実際の韓国の民俗信仰を知っていると、なぜ「桃」なのかが分かって面白い場面です。

『東宮』では「東桃枝」が本格的な退魔アイテムに

近年の韓国ファンタジー作品では、桃の枝がより本格的な退魔道具として登場しています。

Netflixの『東宮(동궁)』第1話では、主人公クチョンが東に伸びた桃の木の枝を携えて、鬼の世界へ入っていく場面があります。

ここでは桃の枝が単なる小道具ではなく、鬼と対峙するための重要なアイテムとして描かれています。

特に「東に伸びた桃の枝」という設定は、古くから伝わる「東桃枝」の信仰を連想させます。

『鬼宮』にも登場する桃の枝

さらにSBSのファンタジー時代劇『鬼宮(귀궁)』にも、「東桃枝」が鬼を退けるアイテムとして登場すると紹介されています。

なぜ韓国では桃が悪霊に効くのか?

桃が邪気を払うと考えられた理由には、桃の持つ生命力や「陽」のイメージが関係していると考えられています。

春になると桃は美しい花を咲かせます。その生命力の強さから、桃は陽の気を持つ植物と考えられ、反対に陰の存在である鬼や邪気を退けるものとされたのです。

こうした考え方は、桃の枝だけではなく、桃の木で作った道具にも広がりました。

ドラマに桃の枝が出てきたら注目!

『トッケビ』ではコミカルな演出、『東宮』では本格的な退魔道具として登場するなど、作品によって桃の枝の使われ方は異なります。

しかし、その背景には共通して「桃には邪気を払う力がある」という韓国の伝統的な民間信仰があります。

韓国ドラマで幽霊や悪霊が登場したとき、もし桃の枝が出てきたら、それは単なる植物ではないかもしれません。

「桃=鬼や邪気を追い払うもの」

という文化的な意味を知っておくと、韓国の時代劇やファンタジー作品をさらに深く楽しめそうです。

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植竹 智裕

元・世界新聞ライター。旅人(訪問国はアジアを中心に現在31カ国) 韓国歴は2005年の初海外旅行からスタートし、2012年には釜山からソウルまでママチャリで縦断。 オーストラリアでのワーキングホリデー中、田舎町で日本人ただひとり、韓国人に囲まれて生活したおかげあって2019年に韓国語能力検定5級取得。

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