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正規アルバムとリパッケージ・アルバムの違いって?韓国の音楽用語辞典

K-POPアーティストを追っかけていると、新曲が出る度に「アルバムが出たけど1つ前の人気シングルが収録されていなかった」「ミニアルバムと正規アルバムって何?」「似たような曲が入ったリパッケージ・アルバムが出た」など日本の音楽作品との違いに戸惑う事があるかと思います。

実は韓国の音楽業界の文化は日本とは結構違っています。

今回はそんな韓国の音楽業界の謎を解いていきます。きっとこれを読んだ後には疑問も晴れてスッキリするはず!

作品形態

日本のアーティストの場合、多くはシングルを何枚かリリースしたのちに、それらを収録したアルバムを発売、またシングルを何枚かリリースして次のアルバムを発売するという流れが一般的ですよね。

アルバム発売まで待てば、シングルを毎回買わなくてもアルバムにまとめて収録されている場合が多いです。

しかし、韓国の音楽作品はシングル・ミニアルバム・正規アルバムの違いはほぼ「収録曲数の違い」によって区分され、それぞれの作品に収録されている1〜2曲の活動曲(メイントラック)で音楽番組などに出演します。日本のアルバムのようにシングルを集めた集大成のような意味合いはなく、逆にアルバム発売を前提にデジタルシングルで活動曲を先行リリースする場合が多いです。

シングル

1〜2曲を収録した作品はシングルと呼ばれます。

アイドルグループの場合、まずは名刺代わりのシングルを発表してデビューし、その後はミニアルバムもしくはアルバムで活動する事が多いので、セカンドシングルの発売がデビュー10周年なんて事もあります。

デジタルシングル

これは日本と意味合いは同じで、各音源サイト限定で新曲を配信リリースする発売形態です。

ミニアルバム

6曲前後を収録した作品はミニアルバムとしてリリースされます。

正規アルバム

正規アルバムが日本のフルアルバムに相当し、7、8曲以上収録されている場合は正規アルバムと見なされますが、前述の通り、日本のようなシングル→アルバム→シングル→アルバムの流れではないので、デビューから数年後に初めて正規アルバムが出る場合も多いです。

もちろんその間にはミニアルバムが数枚出ている場合もあるので全く活動していない訳ではありません。

リパッケージアルバム

直近でリリースした作品に数曲のボーナストラックを追加して販売する韓国の特徴的な販売方法のひとつです。アルバムやミニアルバムを発売してその中の数曲で音楽番組などに出演した後、通常は充電期間に入りますが、リパッケージの追加曲で活動を延長する場合があります。

TWICEを例にしてみましょう。2018年4月にリリースしたミニアルバム『What is Love?』、そして同じ年の7月にリリースされたスペシャルアルバムの『Summer Nights』。

ジャケットを見る限りでは全く別の作品に見えますが、収録曲を見てみると、新曲が3曲追加され、写真集や特典が違う以外、6曲は収録内容が重複しています。

ミニアルバム『What is Love?』リパッケージアルバム『Summer Nights』
What is Love?
(タイトル曲)
Dance the Night Away
(タイトル曲)
SWEET TALKERCHILLAX
HO!Shout thru the heart
DEJAVU ChloeWhat is Love?
SAY YESSWEET TALKER
STUCK
(CD版限定)
HO!
DEJAVE Chloe
SAY YES
STUCK

根っからのファンで特典なども集めたい人はいいですが、全く別の新作だと思って買うとちょっと困惑してしまいそうですね。

〜集 〜ジ

正規アルバムには通常,1集、2集のように〜集という呼び名が付きます。また、上記のリパッケージアルバムや、セルフカバーアルバムなど、完全オリジナルの新作以外の場合は1.5集、2.5集などと呼ばれる事もあります。

日本でリリースした曲の韓国語版などを収録したBoAの3.5集『Shine We Are』

OST

オリジナル・サウンドトラックの事です。韓国ではひとつのドラマに複数のアーティストが楽曲を提供している事も多く、その場合は回を重ねるごとに新曲が劇中で流れ、合わせて段階的にPart.1、Part.2と配信リリースされたのちに、劇中で使われたインストゥルメンタルも含めた製品版が発売されるケースが多いです。

韓国の音楽作品はサイズや付録も個性的

インターネットや音楽配信サービスの普及でCDの売上は大幅に減少していますが、韓国はもともとの音楽市場の規模が小さい為、昔から売り方にも独特な工夫がされてきました。

上記でご紹介したリパッケージや、戦略的な海外進出、日本でAKB商法と呼ばれるバージョン売りも売上の拡大の為に行われてはいますが、作品単品を見てもかなり個性的で規格外なパッケージが多いです。

特に初回限定盤ではもはやCDアルバムの規格を超えた巨大な写真集が付いてきたり、アルバムのパッケージが立体的になっていたり、缶に入っていたり、豪華特典が多数含まれていたりと、ファンでなくても店頭で目を引くような工夫が施されています。

その他のK-POP用語

キリング・パート

J-POPのサビと似ている概念ですが、その曲の一番の見せ場の事をこのように言います。

カムバック

充電期間を終えて、音楽活動を再開する事をカムバックと呼びます。日本では略して「カムバ」とも呼ばれます。

グッバイ・ステージ

カムバしてしばらくの間、音楽番組やバラエティで宣伝活動を行ったのちに、再度充電期間に入る前の最後の音楽番組をこのように言います。

タイトル曲・活動曲 タイトゥルゴ・ファドンゴ

シングルやミニアルバム、アルバムなどをリリースして音楽活動を行う際に、音楽番組でメインにパフォーマンスする曲の事です。ひとつのアルバムから複数の曲で活動する場合もあります。

また、リパッケージを発売した場合は途中から活動曲を変更して、長期間活動したのちに充電期間に入る場合もあります。

MV

日本ではプロモーションビデオ(PV)が一般的に使われていますが、世界的にはミュージックビデオという呼び名が一般的です。韓国語では뮤비(ミュビ)とも呼ばれます。

ティーザー

韓国ではカムバックする際に発売した作品のタイトル曲のPVが作られる事が多いですが、新作発表やMV公開に先駆けて作品のコンセプトに沿ったビジュアル映像を公開したり、MVをの一部だけを公開してファンの期待を高めます。日本語だと「予告編」に近いイメージです。

○○ライン

グループ内や同時期のアイドル内で同い年や同じポジションを包括して呼ぶ時に使います。日本語だと「〜勢」と呼ばれる事が多いです。

例としては1995年ライン(1995年生まれ勢)、ラップライン(ラップ担当メンバー勢)

ペンクロブ

各所属事務所が経営する公式のファンクラブで有料の代わりにオリジナルコンテンツが観られたり、オリジナルの特典があったり、ライブの先行予約があったりといい事尽くしなのは日本と同じですが、特殊な点しては年中好きな時に入会できるわけではなく、年に1回、「第1期」「第2期」と会員募集が告知される為、ファンクラブ会員同士はほぼ同時期の入会になります。

また、一度会員になっても自動更新ではなく次の募集で再度入会しないと会員資格が消失してしまうのも特徴です。

ペンカペ

ファンカフェの事で、主にDaumというポータルサイトで所属事務所が運営している公式の無料コミュニティです。アーティストの最新情報を真っ先にゲットしたいファンが入るのがこちらです。

またNAVERでもファンが運営するカフェが多数あります。

ペンミ

ファンミーティングの略です。サイン会やミニコンサートやトークイベントなど多岐に渡ります。

ペンラ

ペンライトの略です。アイドルグループには公式カラーが設定されている事もあり、色や形もグループ毎に凝ったデザインになっています。

イルデ

일본데뷔(イルボン デビュ)の略で、アーティストが日本でデビューする事を意味します。

マンネ

音楽業界だけではありませんが、韓国語で「最年少」を意味する単語で、グループ内の最年少メンバーの事を指します。

チッケム

もともとはファンが撮影した、推しのファン一人に密着した動画や写真を意味していましたが、最近ではテレビ局の公式YouTubeチャンネルでも音楽番組で各メンバーだけを撮影したチッケム編集版の動画がアップロードされる事も多くなりました。

ケミ

ケミストリーの略で、メンバー同士の、フィーチャリングしたアーティスト同士の「化学反応」を意味します。

空港ファッション コンハンペション

韓国の芸能人がよく写真を撮られるのが公共施設である空港です。その際に話題になるのが空港ファッション。アーティストやアイドルが日頃着ている私服を拝める貴重な機会で、人気アイドルが出国するという情報が入ると大勢のカメラマンが空港に押し寄せます。

エンディング妖精 エンディン ヨジョン

音楽番組では歌い終わった後、数秒間そのままアーティストたちの表情が撮影され続けますが、この時にアーティストは軽く手を振ったり、指ハートを作ったり、ウィンクをしたり、お辞儀をしたりとカメラに向けて様々なアピールをします。当初は、ステージ後の表情が妖精のようなアーティストを指していましたが、最近はステージ後の余韻に表情や仕草でアピールする事自体をエンディング妖精と言う場合もあります。

ファンダム ペンド

韓国のアーティストのアイドル文化で特徴的なのは、グループ毎にファン全体(ファンダム)を指す独自の名前がある事です。例えば、TWICEであればONCE、Brave GirlsであればFEARLESSなど。ファン全体の呼び名が公式ファンクラブの名前にもなっているのでややこしいのですが、例えばTWICEが番組やSNSで「ONCEのみんな愛してる!」と発信した場合は、ファンクラブ会員だけに向けたメッセージではなく世界中のファン全体に向けたメッセージと捉える事ができます。

逆走行 ヨチュヘン

過去のヒット曲や、リリース当初はあまり売れていなかった作品が、年月を経て話題に火がつく事を逆走行と言います。通常はリリースから徐々に順位が下がっていくヒットチャートを逆走行して順位が上がっていく事から。

音楽放送

インガ

SBSで1991〜1993年、そして1998年から現在まで放送されている音楽番『人気歌謡(インギガヨ)』の略です。

エムカ

韓国のケーブルテレビMnetで2004年から放送されている音楽番組『Mカウントダウン』の略です。

ミューバン

KBSで1998年から現在まで放送されている『MUSIC BANK』の略です。

エムコア

MBCで2005年から現在まで放送されている『ショー!音楽中心(MUSIC CORE)』の略です。

まとめ

日本とは音楽作品のリリース形態が異なる韓国ならではの用語と、音楽番組やアイドル、音楽に関することばをまとめてみました。

中にはSNS等が普及して新しく生まれたことばもあるので、今後、プラットフォームが増えていくにつれて、K-POP独特の専門用語も増えていく事でしょう。

当サイトでも新しい単語をキャッチ次第追記していくので、もし知らない単語が出てきたら是非また覗きに来てみて下さい◎

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植竹 智裕

元・世界新聞ライター。旅人(訪問国はアジアを中心に現在31カ国) 韓国歴は2005年の初海外旅行からスタートし、2012年には釜山からソウルまでママチャリで縦断。 オーストラリアでのワーキングホリデー中、田舎町で日本人ただひとり、韓国人に囲まれて生活したおかげあって2019年に韓国語能力検定5級取得。

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