音楽

今も歌い継がれる世紀末の名曲『와(ワ)』に再注目

日本に韓流ブームがやってくるより遥か前の1999年。世間が2000年問題(Y2K)に騒いでいた頃、韓国ではある曲が大ヒットし、音楽関連の賞を総なめにしました。

それが이정현(イ・ジョンヒョン)のデビュー曲『와(ワ)』です。彼女はこの曲で新人賞・ダンス賞を獲得し、一気に「テクノの女王」と呼ばれるようになりました。

今回はそんな띵곡(名曲)をご紹介します。

イ・ジョンヒョンって?

本名李貞賢
이정현
イ・ジョンヒョン
別名AVA(エイヴァ)
生年月日1980年2月7日(2021年現在41歳)
出身全羅北道金堤郡
ディスコグラフィー1集『Let's Go To My Star』(1999年)
2集『Lee Jung Hyun II』(2000年)
3集『Magic To Go To My Star』(2001年)
4集『I ♡ Natural』(2002年)
スペシャルアルバム『Summer Party!』(2003年)
5集『Passion』(2004年)
日本版1stシングル『Heaven / ワ −Come On−』(2004年)
日本版1stアルバム『ワ −Come On』(2005年)
日本版2ndシングル『Passion -情熱- / Heavy World』(2005年)
6集『FANTASTIC GIRL』(2006年)
中国版1stアルバム『Love Me - 千面女孩』(2008年)
ミニ『Avaholic』(2009年)
7集『Lee Jung Hyun 007th』(2010年)
シングル『V』(2013年)
出演ドラマ「七つのスプーン」「野望の伝説」「美しき日々」「大王世宗」「やってきた!ファミリー」など
出演映画「つぼみ」「ハーピー」「未熟な犯罪者」「バトル・オーシャン/海上決戦」「誠実な国のアリス」「スプリット」「ラブ・アゲイン 2度目のプロポーズ」「新感染半島 ファイナル・ステージ」「死なない人間たちの夜」など
備考2019年に3歳年下の整形外科医と結婚。

96年に映画『つぼみ』でまずは女優としてデビューしたイ・ジョンヒョンですが、1999年にアルバム『Let's Go To My Star』を発表し、タイトル曲の『ワ(와)』で音楽番組に登場するやいなや当時としてはかなり攻めた演出と音楽であっという間にヒットを記録し、それ以降も、女戦士に扮した『바꿔(Change)』古代エジプト風の『너(You)』などのヒットを飛ばします。

2001年から放送された『美しき日々』ではチェ・ジウの妹役を演じるなど、女優としても継続したキャリアを積み、2004年には日本でもデビューを果たし、紅白歌合戦にも出場。

中国でも曲が連続でヒットし、現地の映画やCMに出演するなど根強い人気を誇っています。

着物を着て出て欲しいというNHKの要望に反対して韓服で出場し話題になりました。

筆者

デビュー以来、時代の最先端を行く奇抜なコンセプトで攻め続けた彼女が「何か取り憑いているみたいでみんなに怖いと言われるのでFink.Lみたいに可愛いコンセプトをやりたい」と制作した『줄래(Give to You)』ではピンクのウィッグを被り、人形に扮しましたが、ダンサーがみんな人形のような無表情の仮面を被っていた事とカクカクしたダンスでもっと怖いと評判に。

その後は女優業にシフトしていきますが、2013年にリリースしたシングル『V』では幽霊新婦役のお化け屋敷のようなコンセプトで再び話題を集めました。

와(ワ)について

この曲が収録されている1集『Let's Go To My Star』が発売されたのは、世紀末が迫る1999年10月20日。驚くべき事にデビュー盤ながら、演出の企画にはジョンヒョン本人も携わったと言います。

リリース直後の1999年10月31日の『人気歌謡』でのステージ。

1999年11月16日の音楽番組。

1999年12月5日の音楽番組。

1999年の映像音楽大賞でのステージ。

そしてこちらが今や伝説となった日本語バージョンです。前奏部分にアレンジが追加され、その後披露される韓国語版のステージでも時々使われています。

今でも愛される名曲

2008年に行われた野外ライブでもこの曲が披露されました。

2012年放送の『GO SHOW』ではこの曲の誕生秘話や人形に扮した『줄래』誕生秘話を赤裸々に語っています。

2012年放送の『강심장(強心臓)』ではSUPER JUNIORのシンドンがイ・ジョンヒョンに扮してパフォーマンスを披露しました。

2015年の『무한도전(無限挑戦)』では久々のステージを披露し、出演者も大盛り上がりでした。

2017年1月5日放送の『걸든 탬버린(Golden Tambourine)では2AMのチョグォンがイ・ジョンヒョンに扮してパフォーマンスをしました。

2018年6月29日の『Music Bank』では元I.O.Iの人気歌手チョンハがカバーステージを披露しました。

2018年に行われたPSYのコンサート『밤샘각 올나잇 스탠드 - 2018』ではメドレーの一部としてよりエッジの効いたアレンジで披露され、12月24日公演ではサビの部分で客席にいたイ・ジョンヒョン本人が踊っている姿が全画面に映し出されるというサプライズも。

2020年2月14日放送のフードバラエティ『편스토랑』では完璧な振り付けを披露し、料理中の主婦の姿と対比する姿も。その後、差し入れを届けに来たペク・ジヨンも2PMのテギョンとコラボした2009年のヒット曲『내 귀에 캔디 feat. 택연(My Ear's Candy)』を披露しました。

2020年3月6日放送の『편스토랑』でも当時の衣装をハン・ジヘに着せて踊りを指導した後、自らもステージを披露しました。

2020年7月12日放送のイ・スンギやチャ・ウヌらが出演する『집사부일체』では当時のヒット曲『바꿔(Change)』『줄래(Give to You)』と共に『와』も披露しました。

舞台を終えた後のトーク場面です。1997年生まれのチャ・ウヌもこの曲がヒットした1999年当時「(韓国年齢で)3歳だったがこの振り付けは知っている」とコメント。

2020年にはパロディCMからフルMVまでリメイク

2020年には浄水器メーカーのイメージキャラクターに起用され、CMでは『와(ワ)』と『바꿔(Change)』の2曲を浄水器関連の歌詞に一部変更して放送されただけではなく、2020年版と言える最新のフルMVまで制作されました。変更部分も本人が歌っている為、約7年ぶりの歌手作品と見る事も出来ます。

実は数日前にこの浄水器バージョンの存在を知って一しきり大はしゃぎしたのがこの記事を書くに至ったきっかけですㅋㅋㅋ

筆者

果たして今後の歌手活動は?

2013年の『V』以降、残念ながら8年以上新譜を携えての歌手活動は行われておらず、現在は女優として映画への出演やバラエティ番組の出演が主ですが、上記の通りバラエティ番組では過去のステージを再現する事も多い為、ある日突然カムバックしてファンを驚かしてくれる日が来るかもしれません。

筆者がこの曲にハマったのが『V』の時だったので、かれこれ8年以上「次はどんな曲かな?」と楽しみにしているのですが、個人的には是非バラードなどに落ち着く(?)事なく今までのようにインパクトのある作品でカムバックして驚かせて欲しいです◎

筆者

韓国では誰もが知っている伝説のテクノ曲を聞いて皆さんも是非BACK TO 世紀末してみてくださいね◎

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植竹 智裕

元・世界新聞ライター。旅人(訪問国はアジアを中心に現在31カ国) 韓国歴は2005年の初海外旅行からスタートし、2012年には釜山からソウルまでママチャリで縦断。 オーストラリアでのワーキングホリデー中、田舎町で日本人ただひとり、韓国人に囲まれて生活したおかげあって2019年に韓国語能力検定5級取得。

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