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韓国では試験前にワカメスープを食べない?その理由を調べてみた

筆者

안녀하세요.

韓国ドラマを見ていると、誕生日の朝にワカメスープを食べる場面をよく見かけますよね。誕生日祝いの象徴とも言える料理ですが、意外な面もありました。

韓国語では「미역국(ミヨックク)」と呼ばれるワカメスープは、誕生日や出産後に食べる代表的な韓国料理です。ところが、そんな縁起の良さそうな料理が、試験の前だけは避けられることがあります。

いったいなぜなのでしょうか。

「ワカメを食べると試験で滑る」?

理由はとてもシンプルです。

ワカメは水の中でつるつると滑るため、韓国では昔から「미역국을 먹으면 미끄러진다(ミヨッククを食べると滑る)」という語呂合わせのような迷信があります。

ここでいう「滑る」は、もちろん床で転ぶという意味ではありません。

試験に落ちる、受験に失敗するという意味です。

そのため、特に大学修学能力試験(수능/スヌン)のような重要な試験の前には、縁起を担いでワカメスープを避ける人がいます。

本当に韓国で知られている迷信なの?

これは単なる日本人向けの韓国文化紹介で作られた話ではありません。

2015年に韓国で行われた調査では、大学修学能力試験を経験した609人のうち、75.5%が「ワカメスープを食べると滑る」という迷信を聞いたことがあると回答したそうです。

さらに、受験にまつわる迷信を実際にやったことがある人の中では、「ワカメスープを食べない」が64.0%で最も多かったと報じられています。

興味深いのは、迷信を信じている人ばかりではないことです。

同じ調査では、受験に関する迷信について「信じてはいないが気になる」と答えた人が54.5%でした。

つまり、「本気で信じているわけではないけれど、人生を左右する大事な試験の日くらいは避けておこう」という感覚も大きいようです。

実際に「ミヨッククを売らない店」まであった

この迷信の面白いところは、単なる受験生個人の験担ぎにとどまらないことです。

2012年には、ソウルの有名なワカメスープ専門店が、大学修学能力試験の日に店を休んだことが韓国メディアで報じられました。

店主によると、周囲の人に聞いてみたところ、「ミヨッククを食べるのは縁起が悪い」と考える人が多かったため、受験生やその家族に配慮して休業を決めたそうです。

店主自身も「迷信だと思っていた」としながらも、重要な試験の日には「やっぱり気になる」と感じたと説明しています。

では、ワカメスープそのものが縁起の悪い食べ物なの?

ここが、この文化の面白いところです。

普段のワカメスープは、むしろ縁起の良い料理です。

韓国では誕生日にワカメスープを食べる習慣があり、出産後の産婦にも食べさせます。韓国民族文化大百科事典によれば、出産した女性にワカメスープを食べさせる風習があり、現在では誕生日の料理としても定着しています。

また、韓国政府系サイトKorea.netでも、誕生日にワカメスープを食べることには、自分を産み育ててくれた母親への感謝という意味があると紹介されています。

つまり、

誕生日 → ワカメスープ=母への感謝、誕生を祝う料理

なのに、

試験前 → ワカメスープ=「滑る」ので避ける

という、まったく違った意味が場面によって生まれるのです。

逆に、試験前には何を食べる?

韓国の受験文化では、ワカメのように「滑る」ものを避ける一方で、「くっつく」ことから合格を願う食べ物もあります。

代表的なのが「엿(ヨッ)」と呼ばれる韓国の伝統的な飴や「찹쌀떡(チャプサルトク)」というもち米の餅です。

「試験にくっつく=合格する」という縁起担ぎから、受験生への応援ギフトとして贈られてきました。試験前に飴や餅などを贈って合格を願う文化もあるみたいです。

韓国ドラマを見るときにも使える豆知識

日本人からすると、「ワカメスープなんて健康的な料理なのに、なぜ試験前だけ避けるの?」と思ってしまいます。

しかし韓国では、料理そのものの意味ではなく、「滑る」という言葉から試験の失敗を連想することがポイントです。

しかも、これは単なる古い迷信として完全に廃れたものではありません。2015年の調査でも、多くの受験経験者に知られており、実際に験担ぎとして避けた人もいました。

韓国ドラマで受験生の家族が「今日はワカメスープはやめておこう」と言っていたら、それは料理の好き嫌いではなく、「試験に滑らないように」という願掛けなのかもしれません。

日本にも「受験前にはカツ丼を食べる」といった験担ぎがありますが、韓国ではその逆に、「滑るものを避ける」という発想があるわけです。

文化を知ってから韓国ドラマを見ると、何気ない食卓のシーンにも、実は意味が隠れていると思うと楽しみが増えますね。

筆者

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植竹 智裕

元・世界新聞ライター。旅人(訪問国はアジアを中心に現在31カ国) 韓国歴は2005年の初海外旅行からスタートし、2012年には釜山からソウルまでママチャリで縦断。 オーストラリアでのワーキングホリデー中、田舎町で日本人ただひとり、韓国人に囲まれて生活したおかげあって2019年に韓国語能力検定5級取得。

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