韓国ドラマを観ていると警察が容疑者を逮捕するシーンでほぼ毎回「あなたには黙秘権があり…」という手錠を掛ける前の決めゼリフのようなものが登場します。
日本のドラマだと「署まで同行願います」が割とよく使われるけど、それに比べてだいぶセリフが長いんだよね。
これはミランダ警告(韓国語ではミランダ法則・미란다 원칙)と呼ばれていて逮捕する前に容疑者に「これからあなたを逮捕しますけどあなたには○○したり○○する権利がありますよ〜」というのを伝えるものです。
ミランダ警告とはどんなものなのかご紹介していきましょう!
現実では聞く機会がないに越した事はありませんが3へぇ〜ぐらい頂ければ幸いです。
ミランダ警告とは
このミランダ警告が生まれるきっかけになったのはアメリカで起きたアーネスト・ミランダというメキシコ系移民による誘拐・婦女暴行事件。
アリゾナ州裁判所では有罪判決になったものの、連邦最高裁判所では容疑者に対して黙秘権や弁護人選任権を告知せずに引き出した自白は証拠として採用できないとされ、最初から裁判のやり直しを命じられ、これ以降、取り調べを行う前には必ず被疑者に通告するようになったそうです。
これ以降、アメリカのドラマや映画では逮捕シーンにはミランダ警告を通告する場面が盛り込まれるようになりました。
韓国でもこのミランダ警告を通告しなかった場合、後々になって容疑者の自白が証拠として採用されたなかったり、それによって有罪にするべき犯罪者が無罪放免されてしまう可能性があるとされ、ドラマでも逮捕シーンでは毎回のように登場する一種の決めゼリフになっています。
ちなみに日本では黙秘権は保証されているけど、事前の通告について規定されているのは検察や司法警察に限られていて、逮捕時に告げる義務規定はないんだとか。だから「署まで同行願います」だけなんだね??
何て言ってるの?
ミランダ警告は言い方や順番は作品によって様々ですが、必ず以下の要素が盛り込まれています。
黙秘権を行使する権利がある
목비권을 행사할 권리가 있다
(警察・検察が自白を強要したとしても)容疑者には陳述を拒否して黙秘を貫く権利があり、それにより不利益を被る事はない。
弁明の機会がある
변명의 기회가 있다
警察の調査に対して、自らの言い分を述べる権利がある。
陳述は法廷で不利になる可能性がある
진술은 법정에서 불리한 증거가 될 수도 있다
供述は法廷で不利な証拠として扱われる事もある。
弁護人を選任する権利がある
변호인을 선임할 권리가 있다
捜査の段階で弁護士を雇って尋問に同席させるなど助力を求める権利がある。
弁護士を選任しない場合、国の国選弁護士を付ける
변호인을 선임하지 못할 경우 국선변호인이 선임될 것이다
経済的な理由などで弁護士を雇えない場合、国が選ぶ国選弁護士が被疑者の弁護をして助ける。
ミランダ警告が登場する作品
逮捕シーンが登場する作品にはほぼほぼ全部出てくると考えてもいいぐらい決めゼリフ化しているミランダ警告ですが、登場する作品を一部紹介します。
→ザ・キング:永遠の君主●アンナラスマナラ -魔法の旋律-●不可殺 -永遠を生きる者-●秘密の森●無法弁護士〜最高のパートナー〜●ブラック〜恋する死神〜●ある日〜真実のベール
などなど…。
被疑者が行使できる権利を通告する為の文言ですが、韓国ドラマではすっかり逮捕前の決めゼリフとなっているので、逮捕シーンが出て来たら是非チェックしてみてくださいね◎